JOSMにおけるBing画像のオフセットについて

JOSMでBing画像を背景地図として地図作成を行う場合に，OSMサーバからダウンロードしてきたその地域の地図データと背景の画像の位置が合わない場合があります．

その場合に画像のオフセット機能を用いることが可能です．

画像レイヤを右クリックして現れるメニューの「新しいオフセット」を選択すると，オフセット値を示すフローティングウィンドウが表示されます．その状態でメインウィンドウに表示されている画像を左クリック・ドラッグすると自由に画像の位置をオフセットできます．

こうしたずれの原因は，ダウンロードしてきた地図データ自体の持つ位置精度とBingの画像自体の位置精度の誤差によるものです．

　一方，画像のオフセットをむやみに行うと，複数人でつくる地図のずれが出てきてしまいます．そのため画像のオフセットは信頼できるデータを基準に行うことが重要です．例えば地図データと同時にGPSデータをダウンロードすると，周辺に高い建物などが少ないエリアであれば比較的正確な道路の位置情報を取得されているため（市販されているGPSの機械誤差は機種によって異なりますが数ｍ〜10m程度），これらを基準にオフセットすることができます．また，鉄道や河川などの国土数値情報のデータも比較的正確といえます（２万5,000分の１のスケールでの地図データであり，GPSデータに比べると多少誤差は大きくなります（真位置との誤差12.5m以上を許容））．
　一方，画像そのものはもともと球面である地球を撮影し，また画像は衛星のセンサー１点から撮影することでゆがみが生じています．こうしたゆがみを持った画像を地図上で重ね合わせられるようにする処理を幾何補正／正射（オルソ）画像化といいますが，一般的にはそれらの処理を行っている画像であっても，一定程度のゆがみは残っており，それ以外の情報と比較すると相対的に個々の点の位置精度は低くなる傾向にあります．そのため，オフセットの必要性があることになりますし，またオフセットの値も固定ではなく場所によって変化させる必要があります．．